AITTA

JOURNAL

2022.05.24茜 あかね

茜色ってご存知ですか?

紅(べに)や蘇芳(すおう)と同じ 日本に古くから伝わる赤色

燃えるような 夕焼け空の色

染色は奥が深すぎて 安易に覗いては行けないような気がしていました
そこには 植物の生態から人との関わり 歴史 技法 創作
私にとって あまりにも 魅力的で吸い込まれてしまいそうな世界があるからです

そんな 神々しい存在の草木染めに触れる機会をいただきました

宮城県丸森町にある「佐野地織保存会」の皆様とのご縁の中で
茜の染色についてお話を伺うことが出来ました
「昔はみんなお蚕さんを飼い 農業の傍 絹をとり植物で染色もした」
「茜もそこら辺に沢山あるさ」「な〜にも特別なものじゃないよ」
「ほれ これだ」
道の脇の 蒼あおと草が生い茂る中に ざらついた葉と茎をもち 輪生する4枚の葉が特徴の茜草がありました
目が慣れると 多種多様な草に混ざって 此処かしこに元気なツルを伸ばして広がっています

注意深く鎌で浅く掘り起こした根が 茜の原料となります

初めてみるそれは 透明感があり はかなげで 赤というより黄色で 
あの「赤」を生み出す力強さは感じられませんでした

大量に採取し 乾燥させ 段々と赤くなる根を 染料へと生まれ変わらせる
親から子へと伝承された 知恵と手業が織りなす恵を想いながら
さて 次は何を探しに行きましょうか