たしか　映画『長崎ぶらぶら節』の中で
吉永小百合さん演じる　愛八さんが　自らの白足袋を質に入れるシーンがありました
質屋の店主が　手入れの行き届いた白足袋を褒めお金を工面する
きっとストーリーの中では何気ないカットだと思いますが
私には　とても深く心に残るシーンでした
足袋　それも使い熟した白足袋の　何が店主を唸らせたのか
愛八さんの　小事を大事にする　その姿勢と心を想像しました
それからというもの　足袋を洗う時　アイロンをあてる時　足を入れる時
きりりとした　白いキャラコの潔さを見習いたいと思うのでした

もう一つ　
私の足は人差し指が長いので　普通の足袋だと痛くなってしまいます
老舗の足袋店に相談したところ「中形」という足袋を　お勧め下さいました
以来　私の必需品は　この白足袋です　
お気に入りは　身体の一部になり　なくてはならない物になるのです

そして　着物に袖を通すたびに
愛八さんのように　見えない美しさを大切に　
女性に生まれた誇りを忘れずに生きたいと願うのでした